いま見直されるレイチェル・カーソン
 21世紀を迎えた今、20世紀後半の私たちの大量生産、大量消費の生活が生み出した負の遺産―すなわち地球温暖化、オゾン層の破壊、生態系の破壊、埋蔵資源の枯渇、あふれるゴミ、そして、ダイオキシン・環境ホルモンなど化学物質の新たな恐怖といった<地球環境問題>が、次の世紀を担う子どもたちの前に山積しています。 1962年、アメリカの科学者レイチェル・カーソンは、『沈黙の春』を著し、農薬や化学物質による環境の汚染や破壊の実態に、いち早く警鐘を鳴らしました。この本は、大きな論議を巻き起こし、農薬の使用の制限を含む様々な環境関連法案の成立を促したと同時に、人々に地球環境問題を考えさせるきっかけとなりました。地球環境問題がますます複雑に、深刻になってきている今日、彼女の仕事が、改めて見直されています。

レイチェルから21世紀への贈り物「センス・オブ・ワンダー」
 このレイチェル・カーソンが、『沈黙の春』を著す前に、アメリカの若い母親のための雑誌に執筆し、死後、友人たちの手で出版されたエッセイが『センス・オブ・ワンダー(THE SENSE OF WONDER)』です。子どもたちと自然の中に出かけ、<センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性>を育み、分かち合うことの大切さを、詩情豊かな文章でつづったこの作品は、彼女から私たちへの遺言ともいえます。

自主上映で レイチェルのメッセージを全国に伝えよう

 私たちは、このレイチェル・カーソンのメッセージをもとに、長編記録映画を制作し、自主上映形式で、全国に伝えていく決意をいたしました。映画の制作は2年がかりでおこないました。この作品の日本語版の翻訳者である上遠恵子さんが、その舞台となった米国メイン州に現存するレイチェルの別荘周辺の森や海辺に四季を訪ね、原作を朗読し、レイチェルとロジャーの世界を追体験します。あわせてレイチェルの人生の足跡をたどることでより根源からそのメッセージをを伝える「朗読ドキュメンタリー」映画として、2001年春に完成いたしました。 レイチェルのことばに耳を傾け、自然といかに向き合うか、新しい世紀をになう子どもたちをいかに育てるかを考える場を、全国に生み出しましょう!

   2001年4月  「センス・オブ・ワンダー」上映委員会